窓ガラスのリフォームで「グリーン住宅ポイント制度」を利用する方法・注意点
リフォームする際、大変お得な「グリーン住宅ポイント制度」がいよいよスタートしました。今回は窓リフォームにフォーカスし、当ポイント制度を使用する方法や注意点について、分かりやすく解説して参ります。
目次
「グリーン住宅ポイント制度」とは?
「グリーン住宅ポイント制度」は、国が事業主体となって企画・運営している経済対策の一環で、新型コロナウイルス感染症による経済の落ち込みから、民需主導の経済回復に向けた需要喚起を図るため、住宅関連の投資に焦点をあてた制度です。
そして、一定の要件を満たす新築・既存住宅の取得やリフォーム等の住宅に関連した消費に対し、消費内容に応じて、様々な商品への交換が可能なポイントが発行される制度です。
そして、対象期間は令和2年12月15日〜令和3年10月31日までとなっています。
「令和2年って昨年の話じゃないの?」と思われる方も多いと思いますが、実は対象期間自体は昨年の段階から始まっていたのですが、令和3年2月16日にグリーン住宅ポイント事務局(政府事務局)がオープンとなり、本格的な制度開始に至った訳です。
でもご安心ください。既に昨年の12月15日以降で、事務局が開設されるまでの期間に工事を行ってしまった方も必要な要件を満たせば遡って当ポイント制度を活用することが可能です。
窓ガラス(開口部)のリフォームで対象となる工事・発行ポイント
ここからは具体的に窓リフォームを検討されている方に向けて、対象となる工事や発行されるポイントについて解説していきます。
ずばり、今回の「グリーン住宅ポイント制度」で対象となる窓リフォームの種類は、次の3つとなります。
- ガラス交換
- 内窓設置
- 外窓交換
それぞれのリフォーム工事の中身についてもう少し解説を加えると、
-
ガラス交換とは?
既存窓を利用して、複層ガラス等に交換するもの。つまり既存の窓枠(サッシ)はそのままで、中のガラスだけを一枚ガラスから複層ガラス等のガラスへ交換するリフォーム工事となります。
-
内窓設置とは?
既存窓の内側に、新たに窓を新設するもの、および既存の内窓を取り除き、新たな内窓に交換するもの。内窓設置は窓が二重となるので、二重窓や二重サッシと呼ばれることもあります。
-
外窓交換とは?
既存窓を取り除き、新たな窓に交換するもの、および新たに窓を設置するもの。ガラスだけではなく窓枠(サッシ)も含めて取り替える工事となります。
では、それぞれの窓リフォーム工事に対して、どの程度ポイントが発行されるのでしょうか。
実際に発行されるポイントは、交換・設置する箇所数や大きさ(サイズ)によって異なり、対象となるそれぞれの工事内容や大きさ(サイズ)毎のポイント数は下表の通りとなります。
大きさ |
ガラス交換 |
内窓設置・外窓交換 |
||
面積 |
1枚あたりの ポイント数 |
面積 |
1箇所あたりの ポイント数 |
|
大 |
1.4㎡以上 |
7,000ポイント |
2.8㎡以上 |
20,000ポイント |
中 |
0.8~1.4㎡未満 |
5,000ポイント |
1.6~2.8㎡未満 |
15,000ポイント |
小 |
0.1~0.8㎡未満 |
2,000ポイント |
0.2~1.6㎡未満 |
13,000ポイント |
ここで1点注意点を挙げておきます。
今回の制度では、合計ポイント数が50,000ポイント以上となる工事が対象となります。
したがって、ガラス交換や内窓設置・外窓交換等を組み合わせて、発行されるポイント数が50,000ポイントを超えないといけません。50,000ポイントを超えるのであれば、もちろんガラス交換や内窓設置・外窓交換等を組み合わせずにどれか一つの工事内容でも結構です。
対象となる製品の基準
また、今回の制度では対象となる製品についても基準・要件が設けられている点にも注意が必要です。すべてのガラス交換や内窓設置・外窓交換がポイント発行の対象となる訳ではなく、必要な基準・要件を満たした製品を利用した窓リフォームということが前提となっているのです。
では、具体的にどのような基準・要件が設けられているのかについて解説していきます。
対象製品は、断熱性能を示す熱貫流率が基準として設けられているのですが、地域によってその基準が異なっています。 ※熱貫流率に関する解説はこちら
そして、グリーン住宅ポイント制度事務局に登録された製品を用いることも要件となります。
まとめると次のようになります。
- 地域に応じた熱貫流率の基準値を満たした窓リフォーム工事であること
- 窓リフォームに使用する製品は、グリーン住宅ポイント制度事務局へ登録された製品であること
地域の応じた基準値とは?
各地域の基準値は以下の通りとなります。
【窓(開口部)の熱貫流率の基準(この数字以下のものが対象)】
|
地域の区分ごとの熱貫流率の基準値W/㎡・K |
|||
1・2・3地域 |
4地域 |
5・6・7地域 |
8地域※1 |
|
窓(開口部)の 熱貫流率 |
2.33 |
3.49 |
4.65 |
- |
※1:8地域においては熱貫流率ではなく、ガラスの日射熱取得率が0.49以下のものが対象
また、ガラス交換に限っては、下記の基準に該当した製品も対象となります。
【ガラス中央部の熱貫流率(W/㎡・K)とサッシ材質による基準(この数字以下のものが対象)】
地域/サッシの材質 |
樹脂・木 |
金属とその他 材料の複合 |
金属製 熱遮断構造 |
アルミ |
1〜7地域 |
2.03 |
2.03 |
- |
- |
4〜7地域 |
3.33 |
2.99 |
2.99 |
2.03 |
5~7地域 |
3.33 |
3.33 |
3.33 |
3.66 |
地域が数字で良く分からないという方も多いと思いますので、日本地図で示すとこんな感じですが、同じ県でも市や町によって地域が異なるケースがあるので、予めご自分のお住まいがどの地域に該当するのか確認しておくことをおすすめします。
グリーン住宅ポイント制度事務局のHPでは、住所を入力すると対象地域の検索が可能です。
お住いの対象地域の確認はこちらから(グリーン住宅ポイント制度事務局サイト)
ここでは一例として、ポイント対象となるガラス交換リフォーム工事の例を挙げてみたいと思います。
宮城県仙台市(4地域)の場合
- サッシ材質が樹脂複合サッシの場合:「中空層が5ミリ以上のLow-E複層ガラス」への交換
- サッシ材質がアルミの場合:「中空層が10ミリ以上のLow-E複層ガラス」への交換
※サッシの材質に応じて、複層ガラスの中空層が異なっています
東京都23区(6地域)の場合
- サッシ材質が樹脂複合サッシの場合:「中空層が4ミリ以上の複層ガラス」への交換
- サッシ材質がアルミの場合:「中空層が4ミリ以上の複層ガラス」への交換
※サッシの材質問わず、対象製品でもOKです
対象製品の確認方法
また、グリーン住宅ポイント制度事務局HPでは、対象製品の検索が可能となっています。
対象製品の検索はこちら(グリーン住宅ポイント制度事務局サイト)
先程申し上げた通り、事務局へ登録された製品のみが対象となるので、事務局のHPで確認することが間違いのない方法となります。HPでは良く分かりづらいという方は、工事をお願いしようと考えているリフォーム業者へ対象となる製品を確認するという方法もあります。親身に相談に乗ってもらえるかどうか、業者選びの判断材料の一つとして考えてみるのも良いでしょう。
必要な書類・申請方法
「グリーン住宅ポイント制度」を利用した窓リフォームでは、工事の際、実際に対象となる工事が行われたか否かを確認できる書類の提出がポイント申請時に必要となります。
では、必要書類にはどのようなものがあるのでしょうか。
申請方法には工事の完了前に申請する方法(請負契約額1,000万円以上)と工事完了後に申請する方法がありますが、ここでは一般的な申請方法として、完了後に申請する方法について解説しています。
必要書類(工事完了後に申請する場合)
- 完了後ポイント発行申請書【事務局HPよりダウンロード】
- 申請者の本人確認書類のコピー(運転免許証、住民票、健康保険証、パスポート等でマインバーの記載のないもの)
- 対象工事内容等に応じた性能を証明する書類(導入した製品のメーカーが発行する性能証明書や工事前後の写真)
- 工事請負契約書のコピー
- リフォーム工事証明書(戸別用)【事務局HPよりダウンロード】
グリーン住宅ポイント事務局の申請書類ダウンロード先はこちら(グリーン住宅ポイント事務局サイト)
必要となる書類は以上ですが、「対象工事内容に応じた性能を証明する書類」に関して、いくつか注意点があるので、追記しておきます。
対象工事内容等に応じた性能を証明する書類とは?
窓リフォーム工事を行う場合、こちらに該当する書類としては以下の二つとなります。
- 導入した製品のメーカーが発行する性能証明書
- 工事前後の写真
特に注意が必要なのが、工事前後の写真です。こちらは本当に工事を行ったのかどうかを証明する確証でもあります。工事前の写真はリフォーム工事に取り掛かる前に忘れずに準備しておくようにしましょう(工事が完了してからだと工事前の写真は撮れません)。性能証明書に関しては、製品に貼付されているケースや業者から後日メーカーへ請求してもらう等の方法があります。
実際にはリフォーム業者による代理申請も認められているので、「グリーン住宅ポイント制度」を使用する場合は、予め業者と打ち合わせを行い、必要書類の準備状況などを双方で確認していくことが望ましいでしょう。
「グリーン住宅ポイント制度」利用の注意点
ここまでで、対象工事・製品や必要書類に関してはお分かりいただけたかと思います。
最後に忘れてはいけないのが申請期限です。これを過ぎてしまうと折角ポイント発行対象の工事を実施したにも拘わらず、ポイントがいただけない事態が発生してしまいます。
現時点で予定されている手続きの期間は次の通りです。
|
開始時期 |
終了時期 |
ポイント発行申請 |
2021年5月予定 |
2021年10月31日※1 |
ポイントの商品交換申請 |
2021年6月予定 |
2022年1月15日 |
※1 予算の消化状況によっては前倒しされる可能性もあります。
そして、発行されたポイントを商品へ交換するのもお忘れなく。
発行されたポイントは、商品との交換や一定の要件に適合する追加工事との交換に利用することが可能です。
【ポイントを交換できる商品】
- 「新たな日常」に資する商品
- 省エネ・環境配慮に優れた商品
- 防災関連商品
- 健康関連商品
- 家事負担軽減に資する商品
- 子育て関連商品
- 地域振興に資する商品
【一定の要件に適合する追加工事】
- 「新たな日常」に資する追加工事
- ワークスペース設置工事
- 音環境向上工事
- 空気環境向上工事
- 菌・ウイルス拡散防止工事
- 家事負担軽減に資する工事
- 防災に資する追加工事
基準を満たす対象製品:真空ガラス「スペーシア」
お得なポイント制度なので、利用しない手はないかと思いますが、折角ならより良い製品を検討したいもの。そこで窓ガラスリフォームでおすすめなのが真空ガラス「スペーシア」です。
真空ガラス「スペーシア」は、一般的な複層ガラスと異なり、高性能(非常に高い断熱性を有する)かつ非常に薄型で施工性も高いので、複層ガラスではポイント対象となる工事が難しい地域での対応も可能です。
また、内窓設置と異なり、窓が二重になることはないので、開閉や外への出入りで利便性を損なう心配もありません。
下表は、ガラス交換における基準値(再掲)となりますが、真空ガラス「スペーシア」の熱貫流率は、なんと1.4W/㎡・Kなので、1~7までのすべての地域で対象となります。
【ガラス中央部の熱貫流率(W/㎡・K)とサッシ材質による基準(この数字以下のものが対象】
地域/サッシの材質 |
樹脂・木 |
金属とその他 材料の複合 |
金属製 熱遮断構造 |
アルミ |
1〜7地域 |
2.03 |
2.03 |
- |
- |
4〜7地域 |
3.33 |
2.99 |
2.99 |
2.03 |
5~7地域 |
3.33 |
3.33 |
3.33 |
3.66 |
■「真空ガラス スペーシア」商品紹介動画
■「真空ガラス スペーシア」施工紹介動画
まとめ
「グリーン住宅ポイント制度」は、リフォーム工事を検討されている方にとってとてもお得な制度です。
また窓のリフォームは、そう何度も実施するものではないので、後悔はしたくないものです。折角なので、これを機によりグレードの高い製品の導入などを検討されてみてはいかがでしょうか。

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