冬の電気代を下げる窓の断熱対策|内窓・Low-E・真空ガラスの効果を徹底比較

2025.12.172025.12.15断熱

冬の断熱

はじめに:冬の電気代が上がる本当の理由は「窓」でした

冬になると、暖房をつけても部屋がなかなか暖まらず、「去年より電気代が高い…」と感じる方は多いはずです。

実はその原因、
にあります。

国の調査では、冬の熱の流出量のうち 約58パーセントの熱が窓からの熱損失。壁・床・天井より、圧倒的に影響が大きい場所なのです。

なぜ冬の電気代が上がる?熱が逃げる最大の場所は窓

実は窓は閉めていても、窓からの熱損失が住宅の半分以上にもなるんです。

住宅の熱が逃げる割合は以下の通りです。

  • 窓:58
  • 壁:15%
  • 換気:15%
  • 床・屋根:12%

窓の影響が非常に大きいことが分かります。

冬季開口部から逃げていく熱

単板ガラスは冷気を通しやすい構造

1枚ガラス(単板ガラス)は熱伝導率が高く、外の冷気を室内へダイレクトに伝えてしまいます。

省エネ家電だけでは根本的な節約にならない理由

「省エネエアコンに買い替えれば電気代が下がる」と思われがちですが、家電の効率より、家側の断熱性能のほうが電気代に大きく影響します。

窓の断熱性が低いままだと——

  • 暖房の効きが悪い
  • 設定温度を上げざるを得ない
  • 暖房を切るとすぐ寒くなる

つまり、どれだけ省エネ家電にしても熱が逃げる状態は変わりません。根本対策にならず、電気代は下がりにくいのです。

今日から試せる「DIYの窓断熱対策」

断熱シート

貼るだけでガラス表面の冷えを軽減。効果は限定的。

厚手カーテン・床まで届くカーテン

窓からの冷気を遮断。丈が短いと効果半減。

すきまテープ

アルミサッシの劣化によるすきま風を改善。

結露防止テープ

ガラス下部の結露・冷えを軽減する補助的な対策。

対策グッズ

根本的に寒さを解決する「窓の断熱リフォーム」

DIY対策と比較すると、効果が一段と大きいのが窓そのものの改善です。

二重窓(内窓)

二重窓は既存窓の内側に新しい樹脂窓を追加する方法になります。築古住宅との相性が特に良い対策です。

複層ガラス(ペアガラス)

2枚のガラスと空気層で、熱を伝えにくくする構造になります。

Low-E複層ガラス(断熱型)

Low-E金属膜が暖房熱を反射し、冬の暖かさを逃がしにくいガラス。

※夏は遮熱型が有効。

真空ガラス(スペーシア)

2枚ガラスの間を“真空”にすることで熱をほとんど伝えない構造。

  • 1枚ガラスと同じ厚みで入れ替え可能
  • マンションへの導入に最適

どれが一番暖かい?断熱性能を数値で比較

断熱性能の指標として使われるのが U値(熱貫流率)。数値が低いほど断熱性能が高くなります。

窓の断熱性能 比較表

窓の構成(サッシ+ガラス)

ガラス単体U

サッシ込みの窓U

断熱性能

備考

アルミサッシ+単板ガラス

5.7〜6.0

6.57.0

★☆☆☆☆

冬とても寒い。結露も多い

アルミサッシ+複層ガラス(空気層6mm

3.4〜4.0

4.55.0

★★☆☆☆

「複層ガラスなのに寒い」原因はサッシ

アルミサッシ+複層ガラス(アルゴン12mm

2.7〜3.0

3.54.0

★★★☆☆

一般的な新築でまだよく使われる

アルミサッシ+Low-E複層ガラス(遮熱型)

1.6〜2.5

2.63.3

★★★☆☆

夏向け。冬は断熱型の方が◎

アルミサッシ+Low-E複層ガラス(断熱型)

1.6〜2.5

2.43.0

★★★☆☆

冬の断熱は最も現実的に効果が出る

アルミサッシ+真空ガラス(スペーシア)

1.0〜1.4

2.02.7

★★★★☆

ガラス性能は最強だがサッシが足を引っ張る

アルミサッシ+内窓(二重窓)併用

5.7〜2.5(内窓側)

1.83.2(窓全体)

★★★★★

実質

[参考]内窓の熱貫流率 https://www.jsma.or.jp/Portals/0/images/useful/technology/20-1101.pdf

※内窓=窓としての断熱性能、ガラス=アルミサッシ+ガラスの熱貫流率

電気代はどれくらい下がる?実際の節約効果

対策

削減率

年間の節約額(40㎡リビング)

単板 → 複層

5〜10%

3,000〜7,000円

単板 → Low-E

10〜20%

7,000〜15,000円

単板 → 真空

15〜25%

10,000〜20,000円

内窓追加

20〜30%

15,000〜30,000円

参考文献:部分断熱改修の進め方と効果 ~実証事業で得られた知見~|部分断熱等改修実証委員会(令和6年6月)

家のタイプ別、最適な断熱方法

一戸建て

内窓設置か Low-E複層ガラスがおすすめ。効果が出やすく、費用対効果が高いものになります。

マンション

 真空ガラス(スペーシア)がおすすめ。サッシ交換不要で窓の性能アップが可能になります

あわせて読みたいコラム「マンションでも窓リフォームは出来る?窓ガラス交換の費用や注意点」│窓リフォーム研究所

賃貸

DIY断熱か厚手のカーテンがおすすめ。原状回復の必要があるため、取り外し可能な方法が安心です。

あわせて読みたいコラム「DIYで窓断熱を行う方法とその効果」│窓リフォーム研究所

補助金で費用を抑えて賢く断熱リフォーム

2025年度には「先進的窓リノベ事業」という補助事業が実施されています。。対象製品は以下のようなものがあります

  • 内窓
  • Low-E複層ガラス
  • 真空ガラス

補助額は 1窓あたり数千〜数万円 と大きく、複数箇所を同時に施工すると負担が大幅に軽減されます。

※申請期限は2025年12月31日まで

あわせて読みたいコラム「【2025年度】窓リフォームに利用できる補助金・助成金制度!支援内容や補助額・申請の流れ」│窓リフォーム研究所

※2026年度も「住宅省エネ2026キャンペーン」が継続する予定です

専門店への相談が安心な理由

窓のリフォームは、家の構造・サッシの状態・方位・地域気候など条件によって最適な選択肢が異なります。

専門店に相談すると、

  • 最適なガラスの選定
  • 補助金対象製品の案内
  • 工事の可否・費用の目安

など、総合的なアドバイスを受けられます。

まとめ:冬の電気代を下げたいなら窓断熱が最も効果的

  • 熱の50%以上は窓から逃げる
  • DIY対策は手軽だが効果は限定的
  • 内窓・Low-E・真空ガラスは効果が大きい
  • 補助金で費用を抑えられる

省エネ家電より窓の断熱こそが、電気代節約の本命。

暖かく快適な冬を過ごすためにも、まずは自宅の窓を見直してみませんか?

 

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タグ : 光熱費 対策 断熱 結露
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