二重窓・内窓・二重サッシとは?構造やメリット・デメリットを解説

2024.02.062020.10.09窓ガラスの知識
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窓のリフォームとして良く耳にする「内窓」。内窓ってどんなリフォームなのでしょう?また、「二重サッシ」「二重窓」と「二重ガラス」「ペアガラス」は何か違うのでしょうか?「二重窓」「内窓」の仕組みと構造、それぞれのメリット、デメリットについてご紹介していきます。

内窓

目次

二重窓・内窓・二重サッシとは

二重窓とは

「二重窓」とは、今ついている窓の内側に、もうひとつ窓を取り付けたようなものになり、「二重窓」だけでなく、「内窓」「二重サッシ」と呼ばれたりします。つまりこれら3つは実は同じ「二重になった窓」を指しています。(以下、二重窓(内窓)で統一させていただきます。

二重窓

二重窓(内窓)と複層ガラスの違い

「二重窓(内窓)」と、「複層ガラス(ペアガラス)」は、よく間違われますが、まったく異なるものになります。「二重窓(内窓)」は窓の形状のことで、外側の窓と内側の窓といったように窓ガラスとサッシ枠を含めた窓そのものが2つあるタイプのものをいいます。

一方、「複層ガラス(ペアガラス)」は、サッシ枠に入っているガラスのことで、2枚のガラスを一体化したガラスのことです。現在、戸建てを新築する際には、よく使われているガラスで、ガラスとガラスの間に出来る空気層が断熱効果を発揮しています。

このように二重窓(内窓)は窓のタイプのことをいい、複層ガラス(ペアガラス)はガラスそのものになります。

内窓は、設置する目的によってガラスの種類を選択することが可能になります。そのため、断熱効果を上げる目的で「複層ガラス(ペアガラス)」が入った「二重窓(内窓)」というものもあります。

ガラスの種類についてはこちら → 窓ガラスの種類と特徴・目的別の選び方とは?|窓リフォーム研究所

◆複層ガラスの構造

複層ガラス

二重窓(二重窓・内窓・二重サッシ)の仕組みと構造

「二重窓(内窓)」は、既存の窓の内側に新しく窓を設置するため、窓が二つ設置されたようになり、サッシ枠が2つになります。

一般的には、外側の窓を「外窓」、内側の窓を「内窓」や「インナーサッシ」といいます。

外側の窓と内側の窓の間に出来る空間(空気層)が、断熱効果を発揮し、室外の温度変化の影響を室内に伝えにくくします。「二重窓(内窓)」は、北海道・東北地方などの寒冷地で、凍ってしまう窓の対策として新築の段階から戸建・マンションを問わず採用されてきた工事方法になります。

最近では、後から付けられる工事であることから、リフォーム工事にも採用されてきました。

二重窓・内窓・二重サッシのメリット

二重窓(内窓)のメリットとしては、4つほどあげられます。

●断熱性

前項でもふれた通り、既存の窓と、新設された窓(内窓)との間に出来る空気層が、断熱性能を発揮します。既存窓枠の内側にサイズぴったりに設置することで、気密性を高め断熱性向上の役目を果たしています。また、最近では、内窓のサッシ枠のほとんどが樹脂製となっており、金属製のサッシ枠に比べさらなる効果を上げています。

●結露対策

結露は、暖かい空気が冷える等の室内温度の変化によって、室内温度の「飽和水蒸気量」を超えてしまうと結露が発生します。

結露発生の仕組みについての詳細はこちら → 窓に結露が出来る原因とは?結露の仕組みから対策を考える|窓リフォーム研究所

結露は、室内外の温度差が大きい、室内の湿度が高い等の条件で発生しやすくなります。二重窓(内窓)を設置することで、新設の窓の結露は大幅に減りますが、既存の窓(外側の窓)の結露対策としては十分ではありません。

●防音効果

窓ガラスは、壁や屋根と比較して、防音性の低い建材となります。そのため室内外問わず、窓ガラスを通して伝わっている音が多くなっています。

「断熱性」の項目でも触れましたが、二重窓(内窓)を新設する際に、既存窓枠の内側にサイズぴったりに設置することで、室内の気密性を上げることが可能です。この室内の気密性を上げることで、音の伝わりを減らすことが可能なため、二重窓(内窓)は防音効果を目的とした窓リフォームに有効です。

●防犯対策

防犯対策として、二重窓(内窓)の設置を検討するケースもあります。2回ガラスを割る必要があることから検討に上がりますが、単純に一枚ガラスの窓を二つ設置しただけでは、防犯対策は十分ではありません。防犯対策として二重窓(内窓)を設置する際には、採用するガラスを防犯対策向けのガラスにするなど、ガラスとあわせた対策の検討が必要です。

●省エネ対策

断熱性の項で触れたとおり、二重窓(内窓)は、既存の窓と新設された窓(内窓)との間に出来る空気層が、断熱性能を発揮し、室外の温度変化の影響を室内に伝えにくくします。そのため、クーラーや暖房器具の負荷を減らし省エネ対策につながります。

二重窓・内窓・二重サッシのデメリット

前項では二重窓(内窓)のメリットと効果を挙げましたが、デメリットについても触れておきます。

●価格が高い

二重窓(内窓)の設置費用は、工事費用とは別に「新規窓の枠」とそこに納まる「ガラス」の項目があります。10年ほど前までは内窓に入っていたガラスは一枚ガラスと呼ばれる単層のものが主流でした。ただ、一枚ガラスの二重窓(内窓)は結露対策に十分でない、窓際の寒さが和らがないといったような声を受け、近年では、二重窓(内窓)に納まるガラスは、「複層ガラス(ペアガラス)」が多くなってきました。それに伴い、費用も上がっており、断熱フィルム等と比較し、価格が高くなっています。

一方、昨今話題の「カーボンニュートラルの達成」を目指し、国や自治体が窓リフォームに関する様々な補助金制度を用意しています。こういった補助金を使ってお得に窓リフォームができるかもしれません。

補助金情報はこちら → 窓リフォームに利用できる補助金・助成金制度!支援内容や補助額・申請の流れ|窓リフォーム研究所

●掃除がしにくい

二重窓(内窓)は窓が2つの設置となるため、窓掃除も2倍となります。ただ、掃除するだけならば、2倍の作業となりますが、窓と窓の間のガラスの掃除、特に外側の既存窓の室内側に発生してしまった結露の掃除はとても面倒になります。

●窓の開け閉めが面倒

窓の掃除と同様、窓の開け閉めも窓が2つあるため、2倍になります。洗濯物を干す際に出入りする窓、換気する際に開け閉めする窓など、毎日開け閉めをしている窓に二重窓(内窓)を設置する際には注意が必要です。また、二重窓(内窓)の設置により段差が生じてしまう可能性がある点も事前に確認が必要です。

●設置上の制約

二重窓(内窓)は、上げ下げ窓、内倒し窓、天窓などに設置はできません。また、設置可能な窓でも、新規の窓を設置するだけの窓枠が必要になります。そのため、窓枠に新規に設置するスペースがない場合には「ふかし枠」と呼ばれる部材を既存窓枠に追加する必要があります。二重窓(内窓)はこのような制約も考慮し、検討することが必要です。

設置前に知っておきたい二重窓で後悔しないためのポイント

二重窓を検討するときに、どのようなことを気をつけておけばよいでしょうか。

ここでは3つのポイントをお伝えします。

●デメリットを把握しておく

前項で二重窓のデメリットを4点お伝えしましたが、このデメリットをしっかり把握し、検討を進めることが大前提です。

●仕上がりのイメージをしておく

デメリットを把握しておくことにもつながりますが、二重窓を設置した後の生活をイメージすることも後悔しないポイントです。

掃除がしにくくなることに問題がない箇所か、窓の開け閉めが多い場所ではないか、そもそも設置ができない箇所で検討をしていないかなど、今一度、二重窓になった際の生活を想像してみましょう。

●二重窓を設置する目的によってガラスを選ぶ

そもそも、二重窓の設置を検討した理由はどんなことだったでしょうか?

省エネ対策?結露対策?防音?防犯?

実は二重窓の障子に入れるガラスの選択によって、得られる効果が異なってきます。本章の最終項でも目的に沿ったガラスの選び方についてお伝えしますが、二重窓の機能はガラスの選択によって左右されるのです!

内窓リフォームのポイント-窓ガラスの選び方や注意点の詳細についてはこちら|窓リフォーム研究所

二重窓の設置はDIYとプロ、どちらが良い?

最近では二重窓の購入にあたり、ホームセンター、ECサイトなどでDIY製品として紹介されることが多くなってきました。ここで、DIYで二重窓を設置する場合のメリットとデメリットについて触れておきます。

DIYで設置するメリット

DIYで設置するメリットはなんといっても価格面が挙げられます。プロに頼む費用がかからないということがメリットになるわけですが、次に述べるデメリットを心から留意しておく必要があります。

DIYで設置するデメリット

1.設置する内窓の寸法を自分で採寸する必要がある

内窓をDIYするには、まず、設置する箇所の窓の寸法を採寸する必要があります。が、この採寸が全てといっても過言ではありません。

採寸箇所は「横幅」「縦幅」「有効寸法」の3種。この採寸によって内窓が設置できるか否か、すべてがかかっています。

2.5つの部材を自身で設置する必要がある

内窓は「縦枠」「下枠」「上枠」「外障子」「内障子」の5つの部材から構成されています。まず、3種の枠をドリル等でまっすぐに固定する必要があります。が、ここで採寸に間違いがあった場合、設置することは不可能になります。

また、内窓を設置するための窓枠幅がない場合、「ふかし枠」と呼ばれる枠を追加し、その内側に内窓を設置することになります。4辺に追加の窓枠を設置する作業となり、かなり手ごわい作業となるため、ふかし枠が必要な箇所にはプロの方にお願いしたほうが良いでしょう。

二重窓の設置はプロに依頼するのが良い!

簡単そうに思える二重窓の設置ですが、採寸を間違えてしまうと命取りになります。価格面でDIYを選択したものの、使えない部材となり、再度注文しなくてはならない羽目にならないためにも、採寸の段階からプロにお任せすることをお勧めします。

二重窓の費用と取り付けまでの期間

二重窓の取り付け費用の相場と工事期間

では、内窓を設置する場合、どれくらいの費用がかかるのでしょう?

内窓に入れるガラスは、複層ガラス等が一般的ですが、その場合、テラス窓サイズ(幅1,800ミリ×高さ2,000ミリ)のリフォーム費用として約11万円~あたりが相場です。

※ガラスの種類・設置場所・施工方法によって、金額は上下することがあります。

工事日数としては1窓であれば2時間程度で終わる工事となります。

現在、国は窓の断熱リフォームに関して、多くの補助金を準備しています。内窓の障子にはめるガラスの種類によって補助金額が異なってくるため、補助金を使って内窓を設置する際には事前に確認が必要です。

窓リフォームに利用できる補助金・助成金制度!支援内容や補助額・申請の流れについての詳細はこちら|窓リフォーム研究所

【要注意】二重窓設置で撤去・移動が必要な干渉物

内窓を設置を検討している箇所でも、撤去・移動が必要なものがあります。それはどんなものでしょうか。またどのような対策が必要でしょうか。

カーテンレール・カーテンボックス

内窓を設置する際に、カーテンレール、カーテンボックスがある場合、それらを撤去、移動させる必要があります。カーテンレールは一部外し、その箇所に内窓を設置するための枠を追加する必要があります。

こういった追加の枠は、四辺に必要となり、窓枠の下辺にも必要となってくるため、掃き出し窓の場合、大きな段差ができるため、注意が必要です。

curtainbox

ブラインド・手すり

カーテンレール、カーテンボックス同様、窓の内側に設置しているブラインド・手すりなども、内窓設置時には干渉物となるため、取り外しが必要となります。

また、改めて設置する場合、内窓を設置するために追加で取り付けた「ふかし枠」に設置する必要があることも考えられ、設置後のイメージも必要となってきます。

blind

 

二重窓・内窓・二重サッシで使われるガラスの種類

ここまで内窓についてお伝えしてきましたが、大切なガラスの選び方についてお話します。

内窓防犯性能で少し触れましたが、二重窓(内窓)の性能は、納めるガラスの種類で大きく変わってきます。ガラスの種類を目的別にご紹介します。

単板ガラス(一枚ガラス)

一枚ガラスは特に機能を持たないガラスであるため、断熱性能、防犯性能、結露抑制効果を目的として二重窓(内窓)を設置する場合には、効果はあまり期待できません。

一枚ガラス

複層ガラス(ペアガラス)

複層ガラス(ペアガラス)は、ガラスとガラスの間の空気層が断熱効果を発揮するため、断熱性能、結露抑制効果を目的として設置する場合には期待できますが、防音性能を目的として設置する場合には効果が得られません。

複層ガラス

合わせガラス

合わせガラスはガラスとガラスの間に挟まれた「中間膜」の種類によって、防犯性能、防音性能を有するため、防犯、防音を目的として設置する場合には期待できますが、断熱性能、結露抑制効果を目的とする場合には効果が得られません。

合わせガラス

真空ガラス

真空ガラスはガラスとガラスの間の「真空層」が断熱性能、結露抑制効果、防音性能を有するため、こういった目的として設置する場合、有効なガラスです。

「スペーシア」でお悩み解決!

二重窓(内窓)の仕組み、メリット、デメリットを挙げましたが、窓の結露抑制効果、断熱対策の検討の際には、ガラスの断熱リフォームもおススメです。二重窓(内窓)の設置工事とは異なり、今お使いの窓に納まっているガラスを交換するという、とっても簡単なリフォーム製品、その名も真空ガラス「スペーシア」です。今ある窓ガラスを取り替えるだけで断熱性能を高めることが期待できます。真空硝子構造

真空ガラス「スペーシア」は、魔法瓶の原理を窓ガラスに応用した製品で、ガラスとガラスの間にわずか0.2ミリの真空の層を設けることで、断熱性を高めたユニークな製品です。魔法瓶と聞くと、保温性がとっても高そうですよね。

真空ガラス「スペーシア」をオススメする理由としてもう1点挙げられるのが、施工の容易性です。ガラス自体が非常に薄型となっているので、今お使いのサッシがそのまま使え、ガラスだけを簡単に取り替えることが可能です。

※工事にあたってはスペーシア認定店が採寸から施工まで対応いたします。

お近くのスペーシア認定店検索はこちら|窓なび

交換図

また、なんといっても二重窓(内窓)との大きな違いは、窓は既存の窓ひとつであるため、掃除のしやすさ、窓の開け閉めも今までと同じように生活することが可能です。もちろん二重窓(内窓)と組み合せ、新たに追加設置いただく窓向けのガラスとしてお使いいただくことも可能です。

■「真空ガラス スペーシア」商品紹介動画

■「真空ガラス スペーシア」施工紹介動画

「まとめ」

窓のリフォームとして、知名度の高い二重窓(内窓)ですが、そのメリットもさることながら、デメリットも多くあげられます。窓のリフォームの目的によって、二重窓(内窓)を設置する際にはガラス種類の検討が必要です。二重窓(内窓)の設置が困難なケース、窓が二つになると不都合が発生するケースは、真空ガラス「スペーシア」を検討してみてはいかがでしょうか。

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