防犯対策できる窓ガラスとは?窓から始める防犯対策の方法
最近、一般住宅や店舗、宝飾店やトレーディングカード店での強盗事件のニュースが増えております。しかも資産のみならず人命を奪うような痛ましい事件も多く発生していて大きな社会問題になっています。割れやすい窓ガラスに防犯性能をもたせるには?窓ガラスの防犯対策として有効な防犯ガラスをご紹介します。
目次
住居における侵入ケース(戸建住宅)
侵入ケース1:2階のベランダ
塀を足場にして、2階のベランダにのぼり、掃き出し窓のガラスを破って侵入するケース。この場合、ベランダはプライバシーやデザイン性から格子ではなく、腰壁が使われており、外部から見えなくなっていることが多く、侵入口として狙われるケースです。
侵入ケース2:1階の腰高窓
エアコンの室外機などを足場にして、腰高窓のガラスを突き破り、クレセントのみ(鍵なし)をはずして侵入するケース。この場合、高さのあるコンクリート塀、および隣家との境の目隠しのため、侵入口は周囲からの見通しが悪く、侵入口として狙われるケースです。
侵入ケース3:1階の玄関
最近では減ってきましたが、玄関扉の錠をピッキング用具で開錠して侵入するケース。門扉がない場合、簡単に敷地に侵入でき、さらに高さのあるコンクリート塀の場合、周囲から玄関への見通しも悪く、侵入口として狙われるケースです。
侵入ケース4:1階居間の掃き出し窓
居間の掃き出し窓のガラスを破って侵入するケース。掃き出し窓に補助錠がついておらず、クレセントのみの場合、さらに、居間の掃き出し口がコンクリートブロック塀と庭の植栽などで外部から見えないといった場合、侵入口として狙われるケースです。
住居における侵入ケース(集合住宅)
侵入ケース5:マンションの最上階のベランダ
マンションに外階段がついている場合、外階段で最上階の開放廊下まで上がり、その下の階の腰壁を乗り越え、最上階のベランダに入り、掃き出し窓の窓ガラス等を破って侵入するケース。この場合、戸建て住宅同様、ベランダの腰壁がコンクリート等の場合、外部から見えにくくなり、狙われるケースとなります。
最近ではベランダに使われるものもガラス等が増えてきましたが、コンクリート壁等の場合、注意が必要です。
侵入経路で最も多いのは窓から
侵入手口が分かったところで、侵入経路として選ばれるものはどんな箇所が多いのでしょうか?
警視庁が発表してるデータに、下図のようなものがあります。
その中で、侵入犯の約60%は窓から侵入するとのデータがあります。中でも、一戸建ての住宅では、侵入手段として、約70%がガラス破りを用いています。
一方で、侵入犯の約70%は、「5分以内に侵入できなければあきらめる」と考えています。侵入に時間がかかれば、人に見られる可能性が高まるからです。
ガラスの防犯対策には、防犯意識を高めつつ、(1)狙われにくくする、(2)侵入されにくくすることが重要です。
※1出典:警視庁生活安全総務課(H26年)※2出典:都市防犯研究センター「防犯環境設計ハンドブック」
防犯対策に最適な窓ガラスとは?
ここまで、侵入経路として選択されるものに「窓ガラス」が多いことを見てきましたが、その「窓ガラス」で防犯対策することはできないのでしょうか?
ここで2つの窓ガラスを紹介します。
防犯ガラス「セキュオ」
防犯ガラス「セキュオ」は、2枚のガラスの間に強靱な中間膜を挟み込んだ合わせガラスで、ドライバーによる「こじ破り」や、バール等による「打ち破り」に高い効果を発揮します。
用途としては、一戸建ての住宅、アパート、マンション、事務所の窓ガラスはもちろんのこと、宝飾店のショーウインドウ、ショーケース、玄関等、様々な箇所が挙げられます。
上記の写真のように、中間膜は、約0.8ミリ(30ミル)、約1.5ミリ(60ミル)、約2.3ミリ(90ミル)の3種類あり、より厚い方が高い防犯性能を有します。一般的な家庭用には、主に30ミルが用いられています。
セキュオ使ったペアガラス「セキュオペア30」をバールで打ち破った際の実験動画を紹介します。
このように、中間膜が防犯性能を発揮し、ガラス破りにかかる時間を稼いでくれます。
他にも、防犯ガラス「セキュオ」は、中間膜により、紫外線を約99%カットする機能もあり、家具等の日焼けを抑えます。
また、高断熱化についても、ガラスに特殊な金属膜をコーティングしたLow-Eガラスと組み合わせ、複層ガラス化(製品名:セキュオペア)することで、防犯、断熱性能を両立することも可能です。
防犯ガラス「セキュオ」に関する詳細情報はこちら|ガラスワンダーランド
防災防犯ガラス「ラミペーンシェルター」
「セキュオ30」よりもさらに強い中間膜、60ミル以上の中間膜を使った防犯ガラスは、より高い貫通性能により、防犯対策に加え、防災ガラスとして発表されています。
防災防犯ガラスの効果はどのようなものでしょうか。ここで防災防犯ガラスの実験動画を紹介します。
このように、台風時に屋外から飛んでくる飛来物が窓ガラスにぶつかっても、そのものが窓ガラスをやぶって貫通することなく、室内を危険から遠ざけます。
防災防犯ガラス「ラミペーンシェルター」の詳細についてはこちら|窓リフォーム研究所
防犯ガラスはどこで買えるの?
ここで紹介した「防犯ガラス」「防災防犯ガラス」は、町のガラス店で交換が可能です。サッシはそのまま、ガラスのみの変更が可能なケースもあります。
ご自宅の窓でどのような防犯・防災対策ができるのか、お近くのガラス店で、先ずはご相談してみることをお勧めします。
近くのガラス店検索はこちらから 「あなたの街のガラス屋さんをカンタン検索」|窓なび(運営:日本板硝子株式会社)
まとめ
このように、ガラスメーカーでは「防犯対策」「防災対策」を対象とした窓ガラスが製造されています。リフォーム・新築の検討の際には、こういった観点での対策も踏まえ、ガラス選定されるのはいかがでしょうか。
窓リフォーム研究所
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