窓の断熱シートに効果がない?窓の断熱に効果的な方法とは?

2024.02.062023.07.31断熱窓ガラスの知識
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電気代が高騰する昨今、窓の断熱をすることにより住宅の省エネ効果を高め、電気代を節約できるということが、皆さんの耳にも届いていませんか?そこで窓の断熱化を検討するときに、手軽な断熱シートを検討されるかたも多いのではないでしょうか?断熱シートは本当に効果があるのか、窓の断熱に効果的な方法はどのようなものかご紹介します。

窓の断熱化が省エネ効果を高める理由とは?

窓の断熱化が注目を集めていますが、窓の断熱化が省エネにつながるのはなぜでしょうか?イラストを使用しながら解説していきます。まずはこちらをご覧ください。

夏と冬

出典:(一社)日本建材住宅設備産業協会「住宅の省エネルギー基準  早わかりガイド」

これは住宅のどの部分から熱が出入りしているかを部位別に表したものですが、夏も冬も最も大きな熱の出入り口は窓であることが分かります。

実に、冬季では約6割は窓から室内の熱が逃げ、夏季は約7割が窓から室内へ熱が入ってくるのです。窓の断熱化で、この熱の出入りを少なくし、室内の冷暖房機器の効果を高めることで、省エネ効果につながるということになります。

※断熱と遮熱の違いや詳しい説明は、こちら→断熱・遮熱の違いとは?部屋を快適にするために必要なこと | 窓リフォーム研究所 (shinku-glass.jp)

窓の断熱シートには効果がない?

それでは、窓の断熱シートはこの熱の出入りを防ぐことができるのでしょうか?まずは窓ガラスの断熱の仕組みを確認しましょう。

窓ガラスの断熱の仕組み

窓ガラスの断熱性能は、熱貫流率というもので表示されます。

熱貫流率は数値で表示されますが、ガラスを通して伝わる熱の量を表示しており、この数値が小さいほど、伝わる熱量が少なく、断熱性能の高いガラスとなります。各種ガラスの熱貫流率を比較するとこのような数値となります。

熱貫流率比較

空気層を挟んだ複層ガラス(ペアガラス)はフロートガラス(一枚ガラス)と比べて2倍ほどの断熱性能があるということになります。

このように、2枚のガラスで構成された複層ガラスは、熱を伝えにくい空気の層が熱の移動を減らし、断熱性能を高めることができるのです。

※真空層で構成された複層ガラスは、さらに断熱性能を高めることが可能です。

一枚ガラスに断熱シートを張ることで断熱性能はあがる??

断熱シートは窓ガラスとは異なった形で断熱性能をもたせています。

その方法は、室内のヒーターやストーブから発生している赤外線の輻射熱を反射して、部屋の暖かい空気が窓を通して逃げないようにしているのです。輻射熱の反射では、一枚ガラスに断熱シートを張った際、この熱貫流率はどの程度の数値になるのでしょうか?

断熱シートは4.5W/(㎡・K)~4.6W/(㎡・K)という数値表示が一般的なようです。一枚ガラスと比較して、複層ガラスが約2倍の断熱性能といわれるのに対し、断熱シートは約1.3倍ということになります。

複層ガラスが断熱性能を空気層で上げているのに対し、断熱シートは輻射熱をカットすることで熱の伝導を抑制し断熱性能を維持しています。断熱というとひとくくりですが、性能を上げる方法が異なり、この違いが、熱貫流率に表れています。

熱貫流率・熱伝導率についての詳細はこちら 「ガラスの結露の原因?熱伝導率・熱貫流率とは」|窓リフォーム研究所

断熱シートを貼って得られるメリット

前の章で断熱シートの断熱性能について触れましたが、断熱をメインとする目的には少し物足りないかもしれません。ただ、断熱シートを貼ることで得られるメリットについては以下のようなものがありそうです。

ガラスが飛び散るのを防ぐ

断熱シートは万が一ガラスが割れた際、ガラスが飛び散るをの防止してくれる役割を果たすことができます。

目隠しになる

断熱シートには「すりガラス」タイプのものや、おしゃれな柄がはいっているものなどあり、種類は豊富です。こういった断熱シートは外から室内を見られたくないお部屋の目隠しとして使用することも可能です。

【冬場】窓ガラスの結露を防ぐ

断熱シートを貼った箇所は、室内で発生した水蒸気がガラス面に直接付着することを防ぐことが可能です。ただ、シートの凹凸部分の箇所には水滴がついてしまうため、そのまま放置しておくとその部分にカビなどが発生するので注意が必要です。

断熱シートの選び方

季節によって最適なものを選ぶ

断熱シートには冬用、夏用、オールシーズン用と3タイプのものがあります。

冬用の断熱シートは上記で述べた通り、輻射熱をカットすることで断熱効果を上げる製品になります。一方、夏用の断熱シートとしては、冷房を効きやすくするため、日光を効果的に遮断するアルミ素材の「夏用断熱シート」がお勧めです。紫外線もカットするタイプのものもあるため、UVカットも必要であれば併せて検討するのもお勧めです。また、オールシーズン用はどちらの機能も持ち合わせたものになります。

アルミ製シートアルミ製シート

空気層を含んだ厚みで選ぶ

夏用の断熱シートはアルミ素材であることはご説明の通りですが、主として厚さ2mm~4mmのものが人気となっています。窓を開け閉めした際に、互いの窓に緩衝するのを防ぐため、このタイプの選択も多いようです。

また、冬用の断熱シートは、空気層が厚いほうが断熱効果は高いため、冬に向けての断熱を目的であれば7mm程度のものがおすすめです。

吸着タイプかシールタイプで選ぶ

断熱シートの貼り方は、水で貼る「吸着タイプ」と粘着シールで貼る「シールタイプ」の2種が存在します。

「吸着タイプ」は霧吹きで窓ガラスに水をたっぷりかけ、窓のサイズに切ったものを張り付けるタイプになります。何度も貼りなおすことができるため、断熱シートのタイプとしてはお勧めのものになります。

「シールタイプ」は、保護シートをはがして貼るだけの簡単なものになりますが、何度も張り直しをすると粘着が弱くなり、また、シール部分が残る場合もあるので貼る際には注意が必要です。

デザインで選ぶ

断熱シートには目隠しを目的としたステンドグラス調なものや、浴室向けの水玉模様など多様なデザインが準備されています。ただ、防火エリアに使用されている網入りガラス、断熱性能の高いLow-E複層ガラスなどに断熱シートを貼ると、熱割れでガラスが割れてしまうことがあるため、注意が必要です。

mizutama水玉模様シート

断熱シートを貼るときの注意点

半年に1度貼り替えが必要

窓用断熱シートは、オールシーズンタイプも含め、定期的な交換が推奨されています。その期間は約半年。劣化した粘着タイプの断熱シートは剥がす際にシールが残ってしまうため、貼り替えには手間がかかるので注意しましょう。

型板ガラスには接着できないタイプもある

凹凸部分がある型板ガラスは、通常の断熱シートは接着できず、型板ガラス専用の断熱シートが発売されています。ガラス面に凹凸がある場合には断熱シートの選択に気を付けましょう。

熱割れでガラスが割れてしまうことがある

防火仕様の網入りガラスや、断熱仕様のLow-E複層ガラスに貼るとガラスが熱割れという現象で割れてしまう場合があります。こういったガラスには絶対に断熱シートを貼らないよう注意しましょう。

断熱シート以外の窓の断熱対策の方法

窓の断熱というところでは、手軽にできるものとして、以下のような方法が挙げられます。

カーテンを厚手のものや断熱タイプのものにする

カーテンを断熱性の高いものに交換することで、窓まわりの断熱効果を上げる方法があります。ただ、この方法だけでは結露の発生は防げないため、窓ガラスを断熱仕様にする、結露防止シートを併用するなど、追加の対策が必要です。

プラスチック段ボールを設置する

ホームセンターなどで見かけるプラスチック製段ボール。断熱シートの替わりとしてこの段ボールを設置する方法があります。ただ、プラスチック段ボールは本来養生等に使用される保護材であるため、窓に設置すると熱でゆがみ、反りなどが発生するので夏用には不向きです。

プラダン設置プラスチック製段ボール設置

こういった方法は窓に発生する結露を抑えることは難しく、窓から見える景色はあきらめなくてはならないとしたデメリットがあります。では、本格的な窓の断熱対策にはどのようなものがあるのでしょうか。

窓の断熱には効果の高い窓のリフォームがお勧め

窓本体の断熱対策には、やはり窓の断熱リフォームがお勧めです。窓の断熱リフォームには以下のような方法があります。

内窓設置

内窓設置は今ある窓の室内側にもう一つの窓を設置し、断熱効果を上げるものになります。

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内窓を設置するメリットとしては、

・断熱性能の向上

・結露対策

・防音対策

・防犯効果

といったものが挙げられます。

内窓についての詳細についてはコチラ 「内窓リフォームのポイント-窓ガラスの選び方や注意点」|窓リフォーム研究所

既存サッシの取り替え(カバー工法)

今ある窓のサッシ枠に一回り小さい新たな窓を設置する工事で、カバー工法とも呼ばれています。カバー工法ガラスとサッシをセットで取り替える工事となり、選択するガラスによって、断熱だけではない防犯・防災などの機能を持たせることが可能になります。

窓リフォームに適したガラスの紹介はこちら 「窓リフォームのメリットとは?窓リフォームの種類や相場・ポイントを解説」|窓リフォーム研究所

断熱性能の高い窓ガラスへのリフォーム

カバー工法はサッシとガラスのリフォームになりますが、この方法はガラスのみのリフォームになります。カバー工法と比較して、ガラスだけの交換となるため、大掛かりな工事ではなく、費用も抑えることが可能です。

部屋の熱を逃がさない真空ガラス「スペーシア」

窓リフォームのひとつの手法として取り上げた「ガラスの交換」ですが、その対象商品としておススメなのが「真空ガラス スペーシア」になります。

こちらは、結露・断熱・日射対策等に有効な窓ガラスです。スペーシア」は、世界で初めてつくられた真空ガラスです。ガラスとガラスの間に真空層をつくることで、一枚ガラスの約4倍、一般的な複層ガラスの約2倍の断熱性能を実現しました。

その大きな特徴はガラスの厚みになります。現在一般的に流通している複層ガラスの約半分の厚みのため施工も容易で窓リフォームに最適なガラスとなっています。

ガラスの断熱リフォーム

断熱性能は一枚ガラスの4倍(熱貫流率:1.4W/(㎡・K))となっており、複層ガラス(熱貫流率:3.4W/(㎡・K))と比較しても約2倍の性能値となっています。

また、2023年現在、窓の断熱リフォームには国・地方自治体から様々な補助金が準備されていますので、検討を進める上で、確認されることをおすすめします。

補助金概要についてはこちら「窓リフォームに使える補助金・助成金の種類と申請方法|窓リフォーム研究所」

■「真空ガラス スペーシア」 商品紹介動画

■「真空ガラス スペーシア」 施工紹介動画

まとめ

断熱シートには窓の断熱対策として効果があるのかを、熱貫流率という視点からご紹介しました。本格的な窓の断熱対策にはその主体となる窓ガラスの断熱対策がおススメです。

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