断熱・遮熱の違いとは?部屋を快適にするために必要なこと
部屋のリフォームを考える時、ネットなどを検索していると「断熱」・「遮熱」などのワードをよく目にします。「熱」にまつわるワードというのは何となく分かりますが、それぞれのワードの意味や違いについて、きちんと答えられますか?今回は、ついつい混同してしまいがちな「断熱」・「遮熱」について、詳しく考えてみましょう。
目次
熱が伝わるメカニズム
「断熱」や「遮熱」の意味をご説明する前に、おさらいとして熱が伝わるメカニズムについて簡単に振り返ってみましょう。熱の伝わり方には次の3つがあります(理科の授業でも習いましたね)。
【熱の伝わり方】
対流:液体や気体が循環して熱が移動すること
例:お湯を沸かした時、表面は熱いが底は冷たい(温められた水が上部へ移動)
伝導:物質を介して熱が伝わること
例:熱い鉄鍋などで把手が熱くて持てないことがある
放射(輻射):赤外線によって熱が移動すること
例:焚火をしている時、直接触れていないのに暖かさを感じる
そして、「断熱」や「遮熱」に使用されている「断」や「遮」という字は、この熱の伝わり方と深い関係があるのです。
「断熱」と「遮熱」とは
それではここからが本題です。まずは、「断熱」と「遮熱」のそれぞれの意味について解説していきます。
【断熱とは】
非常に分かりやすくいうと、部屋の中から室外へ熱を逃がさないのが「断熱」です。
つまり、先ほど説明した「伝導」・「対流」・「放射(輻射)」によって、室内から室外へ伝わる熱を抑えることを意味しています。冬は、室内を暖房器具やエアコンなどで暖めますが、実は様々な部分から熱が逃げていきます。こんな感じです。
【遮熱とは】
「断熱」とは反対に、室外から部屋の中へ熱を入れない(遮る)のが遮熱ということになります。
こちらは主に太陽熱(日射)による放射(輻射)の影響により、様々な部位を伝わって熱が室内へ入ってくるのです。
「断熱」・「遮熱」の違いについてご理解いただけたでしょうか?
そして、よく図をご覧いただくと分かってしまうのですが、実に開口部(窓)を通じて熱の出入りが多いこと。他の壁・屋根・天井・床などと比較しても圧倒的ですよね。
実は、「断熱リフォーム」・「遮熱リフォーム」を考える際、開口部(窓)への対策を考えるのが、快適性向上に欠かせないものとなっているのです。
次章では、それぞれのメリットについて解説していきます。
断熱対策のメリット
断熱対策を行うメリットとしては、主に以下が挙げられます。
快適な温度を実現
熱を逃がさないので、冬は家の中で着込む必要なく、温度低下を抑える効果が期待できます。
一方、夏もエアコンで冷やした冷気を室外へ逃がさないので、一年を通じて快適な室温で過ごすことができます。
結露を防ぐ
窓そのものの断熱性能を向上させると、室内外の温度差が発生しにくくなるので、不快で掃除が面倒な結露を軽減させることができます。
ヒートショック対策にも有効
家の中の温度差を軽減することができるため、家の中で発生する急激な血圧のアップダウンに起因するヒートショック対策にも有効です。
ヒートショックは、暖かい部屋から温度の低い浴室・脱衣所などへ移動した際、血圧が上昇、その後、温かい湯につかることで今度は低下するなど血圧の急激な乱高下によって引き起こされると言われています。
省エネ対策にもなる
家の中から逃げる熱を減らすことができるので、効率的な暖房を行うことができ、冬の暖房費軽減効果が期待できます。
詳しくはこちら⇒部屋が冬寒いのはなぜ?窓ガラスと断熱の仕組み | 窓リフォーム研究所 (shinku-glass.jp)
遮熱対策のメリット
次に遮熱対策を行うメリットとしては、主に以下が挙げられます。
放射(輻射)による温度の上昇を防ぐ
夏の強烈な太陽の日射を遮るので、夏の室内の温度上昇対策として効果が期待できます。
そのため、効率的に冷房で部屋を冷やすことが可能となります。西日対策としても大変有効で、「家の中で夏いのを我慢して、熱中症」なんていうことにならないようにしましょう。
紫外線をカット
太陽光線をカットする際、日焼けの原因となる有害な紫外線もカットするので、結果として家具やカーテンの色褪せなどを防ぐ効果があります。
省エネ対策にもなる
こちらは断熱と一緒ですが、太陽の熱を遮ることで効率的に部屋を冷やすことが可能となるので、夏の冷房費用軽減につなげることが可能です。
詳しくはこちら⇒効果的な窓の遮熱対策とは?暑さや日射し対策は窓ガラスから|窓リフォーム研究所(shinku-gkass.jp)
「断熱」・「遮熱」対策に有効な窓ガラス
リフォームする際、「断熱」・「遮熱」対策として、開口部(窓)への対策が欠かせません。
理由は、夏・冬ともに一番の熱の出入り口が開口部(窓)となっているからです。例えるならば、「穴の開いたバケツ」とでも言えますでしょうか。
そんな開口部(窓)への対策として有効なのが「Low-E複層ガラス」です。
「Low-E複層ガラス」とは、ガラスの表面にLow-E膜といわれる特殊な金属膜(酸化錫や銀)をコーティングしたガラスで、構成された複層ガラスや真空ガラスのこと示しています。そして、「Low-E複層ガラス」は、冒頭に説明した熱の3つの伝わり方に対して、非常に高い効果を発揮します。
一方、ガラスそのものは非常に熱を伝えやすい素材のため、一枚ガラスと呼ばれるものは、熱を非常によく伝えます。この辺りが、開口部(窓)がウィークポイントであると言われている所以でもあります。
ガラスの種類 | 対流 | 伝導 | 放射 |
一枚ガラス | × | × | × |
Low-E複層ガラス | ○ | ○ | ○ |
リフォームに最適な真空ガラス「スペーシア」
では、リフォームの際にどのような「Low-E複層ガラス」を選択すれば良いのでしょうか?
ここでは、「性能面」・「リフォームの際の施工の容易性」から、最適なガラスとして真空ガラス「スペーシア」をご紹介していきます。
真空ガラス「スペーシア」は魔法瓶の原理を窓ガラスに応用した製品で、ガラスとガラスの間に真空層をつくることで、一枚ガラスの約4倍という高い断熱性能を実現しています。「伝導」と「対流」を真空層によって防ぎ、さらに「放射(輻射)」をLow-Eガラスを使用することで抑えています。
また、より遮熱性を重視した「スペーシアクール」という品揃えもあるので、より夏場の遮熱対策や西日対策を重視したい方にもオススメです。
そして、リフォームの際に重要なポイントとなるのが施工の容易性です。何日もかかる大工事なんて皆さん嫌ですよね。
真空ガラスは、「スペーシア」・「スペーシアクール」共に今お使いの窓に納まっているガラスを交換するという、とっても簡単なリフォームで、快適性を向上させることが可能な点も大きなストロングポイントとなっています。
■「真空ガラス スペーシア」商品紹介動画
■「真空ガラス スペーシア」施工紹介動画
まとめ
さて、今回は「断熱」・「遮熱」の違いについて考察してきましたが、違いについてお分かりになりましたでしょうかか? できれば、夏・冬の対策を別々に行うのではなく、一緒に対策を行いたいものですよね。
是非、リフォームする際は、「断熱」・「遮熱」対策にとっても有効な、「Low-E複層ガラス」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
窓リフォーム研究所
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