「カビ」を吸い込むことによる健康被害とは?「カビ」が発生する原因と対策

2024.02.062020.12.18窓ガラスの知識結露
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ふと気づいたら、家の中に「カビ」が発生している!というご経験はありませんか?特に窓ガラスの結露が多くなる時期はガラスやサッシ部分にカビが増えやすくなってしまいます。今回はそんな「カビ」にフォーカスし、カビの種類や影響・原因と対策について考えてみます。

「カビ」には種類がある

そもそも「カビ」とは何なのでしょうか? また、有害・無害どちらのでしょうか?

チーズなどの食品にも使われてたりしますよね。ということは無害?などと考えてみると様々な疑問がわいてきます。一体、「カビ」とは何者なのでしょうか?

「カビ」は、微生物群の一種で菌類の姿を示す俗称となります。専門的には「真菌」や「菌類」と呼ばれており、数万種以上が生息しているといわれています。

また、食品やお酒などの発酵に使用される酵母やキノコなども「カビ」の一種ですし、医薬品にも利用されるなど、実は我々の日常生活と切っても切れない関係にあります。その一方、「カビ」の中には衛生環境に悪影響を与えるようなものも存在しています。

「カビ」の種類

「カビ」を利用した発酵食品

みそ・醤油:コウジカビ

チーズ:アオカビ、シロカビ

パン、ビール、ワイン:酵母

wine&cheese

衛星環境に悪影響を与えるもの

アオカビクロカビススカビなどの中には、有害なカビ毒というものを産生するものがあることが知られています。

「カビ」を吸い込むことによる影響とは

「カビ」は、胞子が水分や栄養分を吸収して成長していきますが、胞子を大量に吸い込むことなどにより、人体に悪影響がある点にも注意必要です。日常生活の中で「カビ」が有害であると思われている部分はここに関係があります。

では、実際に「カビ」の胞子を吸い込むとどのような症状になるのでしょうか?

カビの胞子を吸い込むとどうなるか?

カビが原因で発症するアレルギー反応としては、以下のものが挙げられます。

夏型過敏性肺炎

夏に多くみられるもので、夏型過敏性肺炎と呼ばれております。家の中によるトリコスポロンという「カビ」によるアレルギー反応といわれています。症状としては、夏風邪と同じような症状で、咳や息切れ、発熱などの症状が挙げられます。

皮膚炎

マラセチア毛包炎などが挙げられます。マラセチア毛包炎は、顔や頭皮にいるマラセチアという「カビ」が原因といわれ、皮膚などにいる常在菌の1つです。皮脂や汗などの分泌物をエサにして増殖するとされています。ニキビのような症状に似ており、長期間に及ぶこともあります。

アレルギー性鼻炎

鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が出ます。アルテルナリア(ススカビ)という「カビ」の胞子を吸い込むことでスギ花粉などとともにアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそくの原因になります。

 感染症

水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビの一種に感染することで起こります。

 シックハウス症候群

住宅などの高気密化や建材等の化学物質によって室内空気が汚染され、それによる鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹などの健康影響は、シックハウス症候群と呼ばれています。

化学物質のみなら、「細菌」・「カビ」・「ダニ」・「花粉」など空気中に浮遊しているハウスダストが影響していると考えられています。

シックハウス症候群

「カビ」の発生原因について

では、どのようにして「カビ」は発生・増殖していくのでしょうか。ここでは主に家の中で発生するカビについて解説していきます。

「カビ」が発生する条件としては、温度湿度栄養が大きく関係しています。

温度

空気中に浮遊している「カビ」の胞子は、室内の様々な部位の表面に付着します。そして、温度が5~35℃前後の条件下で生育していきます。

湿度

また、「カビ」は湿度を好む傾向にあり、湿度が60%を超えたあたりから「カビ」の繁殖に適した湿度となり、発生しやすくなるといわれています。また湿度が更に高まることで、その成長のスピードが高まることが知られています。

栄養

「カビ」は様々なものを栄養として増殖していきますが、家の中にあるホコリやアカはもとより、建材など有機物までも栄養源としてしまいます。

お風呂・洗面所・トイレ・キッチンなどで「カビ」が発生しやすいのは、「カビ」が発生・増殖していくための条件が整っているからです。それ以外の場所としては、窓まわりや壁紙、たんすや食器棚などの家具の裏、クローゼット・押し入れの中などが挙げられます。

また、住宅の中で発生しやすい「カビ」の種類としては、クロカビ・コウジカビ・ススカビ・アカカビなどがあります。

窓とカビ

窓ガラスの結露で「カビ」が発生

特に冬の時期は、窓ガラスやサッシに発生した結露を原因とする「カビ」の発生が増えやすいので注意が必要です。ついつい、「窓ガラスに結露さえ起らなければ」なんていう風に思ってしまったことはないでしょうか?「カビ」を増殖させる結露、やっかいですよね。

では、結露はどのように発生しているのでしょうか?

窓ガラス結露のできる発生メカニズム

結露の原因を考える際、温度と湿度が大きく関係しています。

温度

冬に結露が頻繁に発生するのは、家の中と外で大きな温度差が生じていることが挙げられます。そして、

「室外気温<窓ガラスの表面温度<室内気温」

となると、結露が発生しやすい環境が整います。

湿度

もう一つの重要な要素は湿度です。湿度は空気中に含まれる水蒸気の量を表したものですが、空気中に含むことのできる水蒸気量は、温度が高いほど多くなり、温度が低いほど少くなるという特性があります。 

そして、「室内側のガラス表面温度<室内空気の露点温度(空気が含むことのできる最大の水蒸気量を超え結露し始める温度)」となると、窓に水滴が付着、結露となって表れてくるのです。

窓ガラスに結露ができるメカニズムの詳細はこちら

窓ガラスにカビが発生するとどうなる?

窓ガラスにカビが発生してしまった場合、どのような影響があるのでしょうか。掃除の手間、健康面から次のようなことが考えられます。

窓ガラス・窓枠に発生したカビの掃除が大変

今までお話してきたように、窓ガラス・窓枠にできるカビの原因は「結露」です。そして、発生するカビのほとんどは黒カビになります。黒カビは白カビなどと違い、根を張り、素材の奥深くに入り込む特徴があります。この黒カビが発生した場合、通常の拭き掃除では除去できず、「カビキラー」などの塩素系カビ取り剤で掃除をする必要があります。

細かい掃除方法はこちら「窓ガラスの結露防止対策!快適に暮らすための解決方法とは」|窓リフォーム研究所

カビの胞子が散乱し、身体に悪影響を及ぼす

発生したカビをそのまま放置しておくとどのような影響があるのでしょうか。カビの胞子を吸い込むことによって人体に与えうる影響については皮膚炎・アレルギー性鼻炎・感染症・シックハウス症候群 など、とお話してきました。こうした疾患の原因となりうるカビの胞子は、常に空気中に存在しますが、放置してしまうことにより、壁紙、窓枠の中で水分と湿度を栄養とし、胞子の量が増え、危険性が増してしまうことになります。

ダニの発生

結露によって発生するのは黒カビだけでなく、ダニの発生率も高めることになります。なぜダニが?と思われる方も多いかもしれませんが、実は、結露によって発生したカビを餌として、ダニの発生率が高くなるのです。また、結露の原因となる湿度の上昇は、ダニの繁殖条件としても好都合なものになっているのです。

また、冬場の結露による「カビ」の繁殖は、健康のみならず住宅に対しても悪影響を与えてしまいます。

住宅への悪影響としては、結露による建材の腐食やさびなどが考えられます。また、そのまま放置しておくと耐久性や性能の低下などを誘発するだけではなく、家具や壁紙にも「シミ」などが発生することで傷みが進み、見た目にも衛生的にも良くありません。

窓ガラスに対して、「カビ」を抑制するためにはこまめな結露対策を行う必要があります。

主な結露対策としては、以下のものが挙げられます。

  • 小まめな掃除で結露を拭き取る
  • 結露対策グッズ(結露防止シート・結露防止スプレー・結露吸着テープなど)の使用
  • 定期的な換気を実施する
  • 窓ガラスを結露し難い高性能なもの(真空ガラス・内窓・二重窓など)へ交換する

ただ、こういった「こまめな掃除」「結露対策グッズ」などで対策をとっていても、サッシ部分に結露が発生してしまったり、また、冬場の換気は室内温度を下げてしまい、冷暖房負荷が上がり電気代がかさんでしまうということも考えられます。

窓結露掃除

窓ガラスにカビが発生してしまったらどうしたらよい?

上記のような対策をとっているにも関わらずカビが発生してしまったら、どのように対処したらよいでしょうか。

中性洗剤やカビ取り剤を使用し除去する

黒カビなどが発生したときに対応する塩素系漂白剤を使用する前に、まだそこまでひどい状態でなければ、中性洗剤(食器洗い用洗剤をうすめたものなど)を使用し、除去する方法があります。

洗剤を吹き付けある程度の時間放置し、拭き取りますが、この際に注意すべき点は、ぬれた雑巾でしっかりと拭き取ることです。せっかくの掃除したものの、残った水分がカビの栄養分になってはたまりません。そのため、掃除後はしっかり乾燥させるという点も注意しなければなりません。

窓ガラスの結露対策に最適な真空ガラス「スペーシア」

ここでは窓ガラスの結露対策に最適なガラスとして、真空ガラス「スペーシア」をご紹介します。

真空ガラス「スペーシア」は魔法瓶の原理を窓ガラスに応用した製品で、ガラスとガラスの間に真空層をつくることで、一枚ガラスの約4倍という高い断熱性能を実現しています。「伝導」と「対流」を真空層によって防ぎ、さらに「放射(輻射)」をLow-Eガラスを使用することで抑えています。

高断熱のしくみ

つまり、真空層とLow-E膜の働きにより、室内外の温度差の発生を抑えることが可能となるガラスです。室内外の熱の出入りを遮断するので、結露対策の他、省エネ対策や防音対策にも有効です。

また、既存のサッシをそのまま活かし、ガラスのみの交換が可能のためリフォームにも最適です。

■「真空ガラス スペーシア」商品紹介動画

■「真空ガラス スペーシア」施工紹介動画

まとめ

現代では食品などの様々なものへ有効活用され、我々に食の豊かさを提供してくれている「カビ」ですが、健康にも住宅にも害のある点を忘れてはいけません。しっかりと対策を行うことでうまく共存していく必要がありそうですね。

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