省エネ効果の高い窓ガラスの選び方とは?自宅でできる省エネ対策

2024.02.062021.04.16断熱窓ガラスの知識
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皆さんは、電気代やガス代の請求書が届き、あまりの高さにびっくりしたなんていう経験をお持ちではないでしょうか? 夏の暑さや冬の寒さが厳しくなると、どうしても冷暖房費の負担は大きくなってしまいます。今回は、少しでも光熱費を抑えたいという方向けに、自宅で出来る省エネ対策について解説していきます。

自宅で出来る省エネ対策とは?

実は、省エネ対策の重要性は光熱費や節電といった観点からだけではなく、地球温暖化対策の観点からも非常に大きな役割を期待されています。日本の家庭部門におけるエネルギー使用量はここ数十年の間に大幅に増加しており、エネルギー資源の大半を輸入でまかなっている日本のエネルギー需給安定や温室効果ガスの排出削減には、住宅の省エネ対策が必要不可欠となっているのです。

graph2020

では、増加し続ける家庭のエネルギー使用量ですが、その内訳はどうなっているのでしょうか。

資源エネルギー庁の資料によると、エネルギー使用量で最も大きいのが冷房費と暖房費を加えた冷暖房費となり、全体の約29を占めています。

家庭の用途別エネルギー消費の推移

エネルギー消費量の推移

※出典:資源エネルギー庁HPよりhttps://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/what/

冷暖房費用というと、エアコン・床暖房の電気代やガスストーブ用の灯油費用などが該当します。

それらの費用が大きくなるのはどの季節かというと、地域にもよりますが、一般的には冬が最も大きくなると言われています。

事実、総務省の家計調査によると、月別にみた電気代・ガス代・その他光熱費の合計額は、12月~3月にかけて最も高くなっています。ついつい猛暑による夏のエアコン代を意識しがちかもしれませんが、エネルギー使用量の中で暖房費が高くなっている点は見逃せませんね。

【月別の電気代・ガス代・その他光熱費(令和2年:二人以上の世帯) 単位:円】

 ※総務省家計調査報告より作成

月別光熱費

暑さや寒さに耐えるというのは現実的ではないので、快適性を保ちつつ省エネ対策を行うためには、冷暖房をいかに効率的に行えるかにかかってきます。

冷暖房費を抑えるには

では、冷暖房費を抑えるためにはどのような方法があるのでしょうか。

我慢・無理しない省エネ対策について見ていきましょう。

エアコンの設定温度を工夫する

エアコンの設定温度は以下を目安に考えましょう。

  • 夏の冷房時は28
  • 冬の暖房時は20

エアコンは、冷房時は室内の空気を室外へ排出し、暖房時は室外の空気を室内へ移動させることで冷房と暖房を行っており、室内と室外の温度差を抑える(小さくする)ことで、節約につなげることが可能となります。

そして、1℃設定温度を変えるだけでも、年間数千円程度の省エネ効果が見込まれます。

冷暖房の効率を上げる

こちらは、以下の方法が挙げられます。

  • ドアや窓の開閉を少なくする(ただし、適度な換気は忘れずに)
  • カーテンや簾などを上手に使う(夏場は簾やレースカーテン、冬場は厚手カーテンなどを有効に活用)
  • 扇風機を併用
  • エアコンの室外機の前に物を置かない
  • 窓の性能を上げる

冷暖房の効率を上げるための窓対策

先程の冷暖房の効率を上げる方法でも触れましたが、意外と知られていないのが「窓の性能を上げる」対策です。なぜ「窓の性能を上げる」ことが効果的なのでしょうか、イラストを使用しながら解説していきます。

まずはこちらをご覧ください。

夏と冬

出典:(一社)日本建材住宅設備産業協会「住宅の省エネルギー基準  早わかりガイド」

これは住宅のどの部分から熱が出入りしているかを部位別に表したものですが、最も大きな熱の通り道は開口部(窓)であることが分かります。

実に、冬季の約6割は窓から室内の熱が逃げ、夏季は約7割が窓から室内へ熱が入ってくるのです。

では、「窓の性能を上げる」ということは、具体的にどのようにすることなのでしょうか。

簡単にまとめてみると次の通りです。

  • 冬:断熱性能の高い窓ガラスへ交換する

      断熱性能の高いガラス:部屋の中から室外へ熱を逃がさないガラス

 夏:遮熱性能の高い窓ガラスを使用する

      遮熱性能の高いガラス:室外から部屋の中へ熱を入れない(遮る)ガラス

※断熱と遮熱の違いや詳しい説明は、こちら→断熱・遮熱の違いとは?部屋を快適にするために必要なこと | 窓リフォーム研究所 (shinku-glass.jp)

次のパートでは、断熱性能の高いガラス遮熱性能の高いガラスをご紹介していきます。

断熱・遮熱効果のある窓ガラスと選び方のポイント

断熱性能の高いガラスとは?

複層ガラス

スペーサーと呼ばれる金属部材で、2枚のガラスの間に中空層を持たせたガラスで、中空層には乾燥空気が封入されており、ガラスより熱伝導率の低い空気を挟み込むことで、熱移動を防ぎ断熱性能を高めたガラスです。

複層G

Low-E複層ガラス(エコガラス)

Low-E複層ガラスも複層ガラスの一種ですが、ガラスにLow-E膜と呼ばれる特殊な金属膜をコーティングしたガラスで構成されており、Low-E膜が暖房熱を反射することで室内の保温効果を高めます。

Low-E複層

真空ガラス(エコガラス)

複層ガラスの一種ですが、2枚のガラスの間が真空になっている点が大きく異なります。保温効果を高める魔法瓶と同じ原理ですね。熱の移動が起こらないので究極の断熱ガラスと言えます。

真空G

遮熱性能の高いガラスとは?

Low-E複層ガラス(エコガラス)

Low-E膜の種類によっては、太陽の熱や日差しを遮ることができるため、夏の暑さ対策としても有効なガラスとなります。

真空ガラス(エコガラス)

Low-E複層ガラス同様に日射遮蔽性の高いLow-E膜で構成されたガラスを選択すると、冬だけでなく、夏の暑さ対策としても有効です。

次にどの窓ガラスを選択したら良いか、選び方のポイントについても解説していきます。

選び方のポイント・注意点

断熱性能で選ぶ

年間に使用しているエネルギーは冬の方が多いので、省エネ対策としてはより断熱性能の高い製品を選択することをおすすめします。

先程紹介した製品を断熱性能の高い順に並べると、①真空ガラス ⇒ ②Low-E複層ガラス ⇒ ③複層ガラス となります。

自宅に取り付けられるかどうか

新築時であれば様々な種類のガラスを選択することが可能ですが、リフォームで窓ガラスを交換する場合、施工性を重視することが大変重要です。リフォームの場合、既にはまっている窓ガラスを取り替えることになるので、ガラスがはまっているサッシ(金属の枠)にLow-E複層ガラスや真空ガラスが入るかどうか、事前にリフォーム業者やお近くのガラス販売店などの専門業者へ確認する必要があります。

こどもエコすまい支援事業などの補助金制度も受けられる

こどもエコすまい支援事業とは

「こどもエコすまい支援事業」は、子育て支援・2050年カーボンニュートラルの実現の観点に加えて、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯に向けて、高い省エネ性能を有する新築住宅(ZEHレベル)の取得を促し、全世帯に向けて、住宅の省エネ改修等を補助することにより、省エネ性能を有する住宅取得・改修を促進する事業となっています。

この事業は令和4年度補正予算として1500億円もの補助事業として発表されているものです。交付申請期限は、2023年3月下旬から予算上限に達するまで(遅くとも2023年12月31日まで)となっています。

こどもエコすまい支援事業の対象

対象となるリフォーム工事は必須要件として、「開口部の断熱改修」「外壁、屋根・天井または床の断熱改修」「エコ住宅設備の設置」が挙げられます。

「開口部の断熱改修」の改修方法としては、「ガラス交換」「内窓設置」「外窓交換」「ドア交換」の項目があります。

それぞれの工事に応じた補助金額を設定しており、ガラス交換であれば、1枚あたり大12,000円、中9,000円、小3,000円の補助金が付与されます。

詳細は以下の表の通りです。

※上段はZEHレベル、下段()内は省エネ基準レベル

大きさ

ガラス交換※1

ガラス1枚あたりの

面積※2

ガラス1枚あたりの

補助額

1.4㎡以上

12,000円

(9,000円)

0.8~1.4㎡未満

9,000円

(6,000円)

0.1~0.8㎡未満

3,000円

(3,000円)

※1ガラス交換は、箇所数ではなく、交換するガラスの枚数を乗じて算出

※2ガラスの寸法とする

こどもエコすまい支援事業の申請期限

リフォームにおいての各種締切日は以下となります。

・工事着手:事業者登録後、2023年12月末まで

・交付申請期間:2023年12月31日(火) ※事業者によるWeb申請のみ

こどもエコすまい支援事業を利用する方法・注意点に関してはこちら→「こどもエコすまい支援事業とは?補助金を受けられる対象要件と申請方法|窓リフォーム研究所

既存住宅における断熱リフォーム支援事業(旧:断熱リノベ)

こちらの支援事業は環境省管轄で運営されている補助制度で、全国の既存住宅において、省CO2関連投資によるエネルギー消費効率の改善と低炭素化を総合的に促進し、高性能建材を用いた断熱改修を支援する事業です。

2021年度まで通称「断熱リノベ」という名称で運営されていましたが、2022年6月度からは住宅の全体断熱を目的とした「トータル断熱」と、日常生活の中心であり、家族全体の在室時間が長いとされる居間のみの断熱改修を支援する「居間だけ断熱」の制度が開始となりました。

ここでは、集合住宅における「トータル断熱」についてご紹介します。

■申請対象者

申請者の要件としては以下の方が対象となります。

・マンション(分譲)の所有者

・マンション(分譲)の管理組合

・集合賃貸住宅(個別・全体)の所有者(個人・法人どちらでも可)

■対象製品

補助の対象となる製品は「省エネ効果(15%以上)が見込まれる改修率を満たす高性能建材(断熱材、窓、ガラス)」となります。

補助金を運営している事務局では、断熱材、窓、ガラスそれぞれのカテゴリーにおいて、15%以上の省エネ効果を見込める基準を制定し、各メーカーはこの基準に沿って製品の登録を実施しています。

補助金事務局に「補助対象製品」として登録がされてある製品であれば、申請は可能となっています。

対象製品はこちら(補助金運営事務局サイト)

■補助率と補助上限額

こちらの補助金の補助額は「補助対象経費の1/3以内」となっており、補助上限金額は15万円/1戸となっています。

住宅区分 集合住宅(マンション)
個別 集合全体
申請者

 個人の所有者または

所有予定者

管理組合の代表者
対象製品 断熱材・ガラス・窓
補助率 補助対象経費の1/3以内
補助上限額

1戸あたり15万円

制度内容について分かりやすく事務局(北海道環境財団)のリーフがありますので、こちらも参照ください。

窓リフォームに使える補助金・助成金の種類と申請方法についてはこちら→窓リフォームに利用できる補助金・助成金制度!支援内容や補助額・申請の流れ | 窓リフォーム研究所 (shinku-glass.jp)

省エネ効果を求めるなら真空ガラス「スペーシア」

では、実際に断熱性能高い窓ガラスへ交換すると、どのくらい省エネが可能なのでしょうか。ここでは真空ガラス「スペーシア」の場合を例に挙げてみます。

例えば東京の場合、通常の1枚ガラスであれば年間98,100円の冷暖房費用がかかるところ、真空ガラス「スペーシア」にすると、56,100円となります。つまり42,000円の省エネ効果(約43%冷暖房費を削減)となります。同様に大阪の場合でも44,600円の省エネ効果(約41%冷暖房費用を削減)となり大きな省エネ効果が期待できます。

省エネ効果

※算出条件はこちらをご覧ください。

真空ガラス「スペーシア」の詳細はこちら→冷暖房にかかる電気代などの省エネ・節約対策|【公式】真空ガラス スペーシア (shinku-glass.jp)

■「真空ガラス スペーシア」商品紹介動画

■「真空ガラス スペーシア」施工紹介動画

まとめ

省エネ対策は、我慢や無理をしないことが大変重要です。過度な省エネ対策で体調を崩してしまっては元も子もありませんからね。エアコンの設定温度変更という手軽なものから窓ガラス交換という本格的な対策まで様々ですが、省エネ目的だけではなく、ライフスタイルや快適性などを踏まえた上で、対策を講じられてみてはいかがでしょうか。

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