合わせガラスとは？構造やメリット・複層ガラスとの違いについて

合わせガラスというのは聞いたことはあるけど、いったいどんなガラスなのでしょうか？ペアガラスや二重ガラスとの違いはあるのでしょうか？

今回は合わせガラスの構造や機能についてみていきます。いったいどんな効果があるのでしょうか。

合わせガラスとは

合わせガラスは、2枚の板ガラスの間に合成樹脂の中間膜を挟み込んで圧着したガラスのことをいいます。2重になっていることから、2枚のガラスの間に空気層を持たせたペアガラス（複層ガラス）と間違われる場合がありますが、合わせガラスとペアガラス（複層ガラス）はその特徴・効果が異なります。

ペアガラス（複層ガラス）が主に断熱性能が特徴なのに対し、合わせガラスは、安全性や防犯性が主な特徴です。

合わせガラスは2枚のガラスの間に合成樹脂の中間膜があることで、ガラス面にモノがぶつかった際にガラスの破片が飛び散りにくいことや、衝突したものが貫通しにくいといった特徴があります。

身近なところでは、自動車のフロントガラスに使われています。そういった破損しにくい点や、貫通しにくい（対貫通性）性能があることから住宅の窓ガラスとしては、防犯ガラスや防災ガラスとして使われています。

泥棒などの侵入者が窓ガラスを割って侵入しようとしても、合わせガラスであれば割るのに時間がかかり、侵入を諦めさせる効果があるのです。また最近の急な暴風雨などの際に飛来物がガラス面にあたってもガラスを貫通し難いことから防災ガラスとしての用途も期待されています。

その他、合わせガラスには、2枚のガラスの間に挟み込む中間膜の色を変えてガラスの色調を変えたものや、中間膜に防音用の特殊な膜を使うことで防音性能を持たせた防音ガラスもあります。このように様々な機能のある合わせガラスについてその種類、特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。

合わせガラスのメリット

防音効果

防音合わせガラスは、2枚の板ガラスの間に防音性能の高い特殊な中間膜を挟み込んだタイプの合わせガラスです。通常の合わせガラスとしての耐貫通性や飛び散りにくさを備えたうえで、防音性能ももった優れものです。

飛散物の貫通防止

合わせガラスの特徴の一つに耐貫通性能があります。台風や竜巻などの強風により、飛来物が窓ガラスに衝突すると、一枚ガラスならガラスが割れてしまいます。災害時にガラスが破損して、破片が飛び散ると、怪我などの２次災害につながるおそれがあります。

合わせガラスを使用すれば、ガラスは割れても、中間膜（60mil以上の中間膜を推奨）で保持され、飛来物がガラス面を突き破るようなことが起こりにくくなります。

防災ガラスの詳細についてはこちら「効果的な窓ガラスの台風対策とは？事前の備えで出来ること」｜窓リフォーム研究所

また、この耐貫通性能は防犯にも役立ちます。侵入者が窓ガラスを割って侵入しようとしても、通常の一枚ガラスに比べて割るのに時間がかかるため侵入を諦めさせる効果があります。

割れた時の飛散防止

合わせガラスは、耐貫通性能だけでなく破損した際にガラスが飛び散りにくい効果があります。通常の一枚ガラスの場合、割れた際にガラスは鋭利に破損して飛び散りますが、合わせガラスは中間膜があるためガラスが飛び散るのを防ぎます。

デザイン性の良さ

合わせガラスは2枚のガラスの間に、透明カラーフィルムを挟むことで様々な色調に変えることができるデザイン性の高いガラスです。透明なフィルムだけでなく乳白色など通常のガラスでは出しにくい色合いも中間膜に使うことで可能になります。

紫外線・UVカット効果も期待できる

合わせガラスは紫外線（ＵＶ）カット性能があります。2枚の板ガラスの間に挟む中間膜には紫外線カットの効果があります。その非常に優れたUVカット効果はカーテンや床、窓際の家具などの紫外線によるヤケ・色褪せを防ぎます。

合わせガラスと複層ガラス（ペアガラス）の違いは？

ところで、合わせガラスと複層ガラス（ペアガラス）はどう違うのでしょうか。

どちらも2枚の板ガラスでできていますが、構造や機能・特徴は大きく異なります。

これまでお話したように合わせガラスは、2枚の板ガラスの間に合成樹脂の中間膜を挟んだ構造をしており、主な性能はガラス面にモノがあたった際の「耐貫通性能」や、破損時にガラスが飛び散りにくい「耐飛散性能」になります。

こうした特徴から、合わせガラスは「安全ガラス」・「防犯ガラス」の分類になります。

一方、複層ガラス（ペアガラス）は、2枚の板ガラスの間に空気の層（空間）を持たせた構造をしており、主な性能は窓ガラスを通して熱の移動をおさえる「断熱性能」になります。

合わせガラスと複層ガラス（ペアガラス）はどちらも2枚の板ガラスでできていますがその構造と性能・用途は大きく異なります。使う用途や性能に合わせて最適なガラスを選ぶようにしましょう。

合わせガラスを設置する際の注意点

合わせガラスを選ぶ際に気を付けなければならない点がいくつかあります。

先ず、これまでお伝えしたように、合わせガラスはペアガラス（複層ガラス）と違い「断熱性能」は期待できません。

合わせガラスは中間膜の種類を選ぶことで、太陽の日差しをカットする「遮熱性能」をもたせることはできますが、お部屋の暖かい空気やクーラーで涼しくした空気を保温する断熱性能や冬場の結露を防ぐ効果は期待できないので注意が必要です。

次に中間膜の種類を目的に合わせて選ぶ必要があります。防犯なのか、日差しをカットしたいのか、など、目的によって合わせガラスの中間膜のタイプが異なるので、機能と効果をよく確認する必要があります。

最後に費用についてですが、一枚ガラスに比べて様々な機能があるため、費用も高くなります。ガラス施工店など専門業者に機能と費用を確認しましょう。

あらゆるお悩みを解決する真空ガラス「スペーシア」

合わせガラスの防音などの性能を持ち合わせた断熱ガラスは存在しないのでしょうか？

ここで、合わせガラスの性能と、複層ガラスの効果を組み合わせた「真空ガラス　スペーシア静」をご紹介します。

「真空ガラス　スペーシア静」は、真空ガラスのシリーズのひとつで、合わせガラスの特徴である、紫外線カット機能、防音機能があります。紫外線カット率は約99.9％の効果があり、通常の合わせガラスと同等の性能です。

防音性能については、JIS等級T-3（35等級）をクリア。室内・室外で発生する音を３５デシベルカットする効果があります。

※遮音効果を発揮するには遮音性能の高いサッシとの組み合わせをご検討ください

また、スペーシア静は合わせガラスの性能に加えて、複層ガラスの性能である、断熱性能があります。そのため、お部屋の暖かい空気やクーラーで冷やした涼しい空気を外に逃がしにくい効果や冬の嫌な結露を軽減する効果が期待できます。

つまり、「真空ガラス　スペーシア静」は、合わせガラスと複層ガラスの性能を組み合わせたガラスで、これひとつで様々なお悩みを解決してくれます。一度検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

これまで、合わせガラスのタイプや性能、複層ガラス（ペアガラス）との構造・効果の違いなどを説明してきましたがいかがだったでしょうか。

ガラスには様々なタイプがあります。新築・リフォームを検討される際には、そのお部屋に求める性能に一番適したガラスを選んで快適な生活を手に入れましょう。

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