補助金利用で最上級の内窓リノベを実現
真空ガラスを使えば補助金を活用した内窓の設置が最上級グレードで可能!「先進的窓リノベ 2024事業」の対策キーワードでそのメリットをご紹介します。
目次
内窓設置時に真空ガラスを使えば最高級グレードの補助金がもらえる!
2023年度に実施された「住宅省エネ2023キャンペーン」ですが、2024年度も「住宅省エネ2024キャンペーン」として実施が決定いたしました。
中でも断熱性能の高い製品を対象とした補助金「先進的窓リノベ2024事業」が環境省・経済産業省の管轄で実施されています。この中で断熱性能の高い製品として登録されているものが、「内窓+真空ガラス」の組み合わせで発表されている製品となります。真空ガラスについて少し紹介します。
真空ガラスとは
真空ガラスは、ガラスとガラスの間に真空層をつくることで、一枚ガラスの約4倍、一般的な複層ガラスの約2倍の断熱性能を実現したリフォームに適したガラスになります。
その原理は、魔法瓶と同じ。熱の伝わり方には、「伝導」、「対流」、「放射」の3つがありますが、「伝導」と「対流」を真空層によって防ぎ、さらに「放射」を特殊な金属膜(Low-E膜)で抑えることで、高い断熱性能を発揮します。
真空ガラスの特長
真空ガラスの特長として挙げられるのは、「高い断熱性能」「結露の抑制」などが挙げられます。
断熱性能
2枚のガラスの間にある真空層が、一枚ガラスの約4倍の断熱性能を実現。
室温を逃がしにくく、節電にもぴったりです。
結露軽減効果
真空ガラスは、その高い断熱性性能が外気の影響を受けにくくし、室内20℃ 室内相対湿度60%の場合、マイナス26℃になりまで結露が発生するのを抑制します。
■スペーシアについて動画で説明
「先進的窓リノベ2024事業」で補助金を活用して内窓を設置しよう!
「先進的窓リノベ2024事業」は、断熱窓への改修を促進し既存住宅の省エネ化を促すことで、エネルギー費用負担の軽減、健康で快適なくらしの実現及び家庭からのCO2排出削減に貢献するとことを目的とする事業です。
断熱窓への改修という点で制度をご紹介します。
補助金の申請条件と手続き
補助の対象条件としては、
・2023年11月2日以降に断熱窓への改修を含むリフォーム工事に着手したもの
・住宅所有者がリフォーム事業者(補助事業者)と工事請負契約を締結しリフォーム工事するもの
といったものが挙げられます。
手続きは全て、リフォーム事業者(補助事業者)が実施することになりますが、住宅所有者は申請に必要な書類(住民票の写し等)を提供する必要があります。
申請は工事完了後、リフォーム事業者(補助事業者)によってなされますが、工事請負契約時に、還元される補助金の還元方法について、住宅所有者と前もって取り決めをします。
「先進的窓リノベ2024事業」のメリット
「先進的窓リノベ2024事業」のメリットは何といってもその補助額の高さにあります。
内窓設置においては、以下のような補助額が設定されています。
グレード | 大きさの区分 | |||
大※1 | 中※2 | 小※3極小※4 | ||
内窓設置 | SS | 112,000 | 76,000 | 48,000 |
S | 68,000 | 46,000 | 29,000 | |
A | 52,000 | 36,000 | 23,000 |
※1 大:サッシ(一箇所)の面積2.8 ㎡以上。
※2 中:サッシ(一箇所)の面積1.6 ㎡以上2.8 ㎡未満。
※3 小:サッシ(一箇所)の面積0.2 ㎡以上1.6 ㎡未満。
※4 極小:サッシ(一箇所)の面積0.2 ㎡未満。
以下のようなモデルケースにおいて、腰高の窓(中)にSSグレードの内窓を設置した場合、76,000円/箇所の補助を受けることができ、一般的にかかる費用の1/2程度の補助率とされています。
また、補助上限額も200万と設定されているため、戸建て住宅の全窓を本補助金で申請できるレベルであることから、大変人気の高い補助事業となっています。
内窓リノベーションの最新トレンドを知ろう
2023年度、「先進的窓リノベ事業」は受付が開始されると同時に、内窓施工が多数申請され、内窓を販売しているサッシメーカーに注文が殺到しました。この流れを受け、2023年度中に各サッシメーカーは内窓の受注が滞りなく受けられるよう、生産ラインを追加する等対策を講じ、2024年の「先進的窓リノベ2024事業」に各社備えているようです。
2024年の先進的窓リノベに注目!
2023年度の状況からも分かるように、巷で一躍有名になった事業ですが、2024年度はさらに受注体制も整えての発表となりました。2023年度は1000億の予算が準備されていましたが、2024年度は1350億円に増額されました。また、真空ガラスを使用した内窓についても、登録製品が増えています。
内窓を使った人気の申請製品とは
前項で紹介した大きさ別の補助額の紹介ですが、大きさ以外には、内窓の断熱性能値が設定されています。
内窓の断熱性能を「SS」「S」「A」と3つのグレードに分け、性能値が高い「SS」グレードには「S」グレードと比較して約1.6倍の補助額が設定されています。
「SS」グレードで設定されている製品を2つご紹介します。
■LIXIL社「インプラス」
内窓サッシ | タイプ | 対象ガラス |
LIXIL 「インプラス」 |
・引違い ・FIX |
NSG(日本板硝子) 「スペーシアクール」 |
■YKK AP社「プラマードU(真空ガラス専用フレーム)
内窓サッシ | タイプ | 対象ガラス |
YKK AP 「プラマードU」 真空ガラス専用フレーム |
・引違い |
NSG(日本板硝子) 「スペーシアクール」 |
こちらの2製品は、「先進的窓リノベ2024事業」において、真空ガラスを採用した内窓として「SS」グレードで登録されている製品となります。
真空ガラスは遮熱高断熱タイプの「スペーシアクール」が採用されている点もポイントになります。
真空ガラスを使った内窓の断熱性能と効果
真空ガラスは1枚ガラスをリフォームする製品として人気のある製品となりますが、この真空ガラスを内窓に採用した際の効果についてご紹介します。
真空ガラスの断熱性能について
真空ガラスは単体でも1.0W/(㎡・K)~1.4W/(㎡・K)を所有しているガラスとなりますが、内窓に採用された場合、その熱貫流率は1.1W/(㎡・K)もの断熱性能になります。これは、一枚ガラスを内窓に採用する際の2.9W/(㎡・K)の約2.5倍の断熱性能となり、各内窓に真空ガラスを採用されたものはJIS等級でも最上等級のH-8相当となっています。
外窓 | 内窓ガラス仕様 | 断熱性能 |
FL5 | 真空ガラス(Low-E3+真空+FL3) | H-8相当 |
FL5 | Low-E複層ガラス(Low-E3+空気層12+FL3) | H-6相当 |
FL5 | 複層ガラス(FL3+空気層12+FL3) | H-5相当 |
FL5 | 単板ガラス(FL3) | H-4相当 |
内窓による快適な室内環境を実現
また、「遮音性の向上」が内窓を採用するメリットとして大きく上げられますが、内窓のガラスに「真空ガラス」を採用することで、その性能を落とすことなく、快適な室内環境を実現することが可能になっています。
外窓 | 内窓ガラス仕様 | 遮音性能 |
FL5 | 真空ガラス(Low-E3+真空+FL3) | T-4(40等級) |
FL5 | Low-E複層ガラス(Low-E3+空気層12+FL3) | T-4(40等級) |
FL5 | 複層ガラス(FL3+空気層12+FL3) | T-4(40等級) |
FL5 | 単板ガラス(FL3) | T-4(40等級) |
窓と遮音について詳細はコチラ 騒音の原因は窓から?窓の防音・遮音対策の方法とは|窓リフォーム研究所
補助金を利用して内窓を設置するポイントと方法
補助金を利用して内窓を設置するポイントは「SS」グレードの製品で施工・申請することという点が挙げられます。またその方法としては、見積を依頼する業者には必ず、「先進的窓リノベ2024事業」の申請が可能な「補助事業者」として登録されているリフォーム業者であるかどうかの確認を忘れないようにしましょう。
真空ガラスを活用したSSグレード内窓の導入方法
真空ガラスを活用したSSグレード内窓の導入方法は、リフォーム事業者が「SS」グレード対象製品が発注することが可能かどうかの確認も必要です。LIXIL社、YKK AP社の内窓施工が可能か、「先進的窓リノベ2024事業」の申請が可能か確認をしましょう。
補助金申請に必要な書類と手続き
冒頭でもお伝えした通り、「先進的窓リノベ2024事業」の申請はリフォーム事業者(補助事業者)が全て申請し、補助の還元も受けることになります。必要な書類は以下のようになりますが、住宅所有者(共同事業者)も「住民票の写し」をお渡しする等、申請に必要な書類をリフォーム事業者(補助事業者)に提供し、書類不備が発生しないように進めましょう。
提出が必要な書類 |
交付申請 |
|
本補助金の利用について工事発注者が同意する共同事業実施規約(指定の書式) |
○ |
|
工事請負契約書の写し |
○ |
|
工事発注者の本人確認書類 (個人:住民票の写し、運転免許証の写し等、法人:商業法人登記の写し等) |
○ |
|
工事を実施する住宅に係る書類(登記事項証明書の写し等) |
○ ※1 |
|
対象工事内容に応じた性能を証明する書類 (工事箇所毎に提出) |
性能を証明する書類 (性能証明書・納品書等) |
○ |
工事前写真 |
○ |
|
工事後写真 |
○ |
※1 申請額が 30 万円以上の場合に必要となります(詳細は先進的窓リノベ2024事業事務局が別に定める申請マニュアル等を参照)。
先進的窓リノベ2024年度の補助金額と申請期間
最上級グレードの補助金を狙うポイント
最上級グレードの補助金申請のポイントとしては、「SSグレード」対象商品での申請であることに尽きますが、ここでのポイントとしては、「インプラス」「プラマードU(真空ガラス専用フレーム)」など、サッシメーカーの対象製品に真空ガラス「スペーシアクール」を組み合わせる必要があることが大きなポイントです。
2024年度の補助金申請スケジュール
先進的窓リノベ2024事業の申請スケジュールは以下が挙げられています。
工事実施期間:2023年11月2日(木) ~ 2024年12月31日(火)
交付申請期間:2024年3月下旬 ~ 2024年12月31日(火)
但し、昨年度も大人気だったこの制度。1350億円の予算が設定されていますが、戸建て住宅、集合住宅ともに相当なスピードで消化される予想がされていますので、12月31日までの申請を目標とするのではなく、申請可能なタイミングで申請をすることをお勧めいたします。
内窓リノベで快適な暮らしを手に入れよう!
真空ガラスを使った内窓のメリットとデメリット
真空ガラスを使った内窓のメリットとしては「断熱性」「結露対策」「防音効果」「省エネ対策」などが挙げられます。
また、デメリットとしては窓が二重になるため、「掃除がしにくくなる」「窓の開け閉めが面倒」「設置箇所に制約がある」といったことが挙げられます。
詳細はこちら 二重窓・内窓・二重サッシとは?構造やメリット・デメリットを解説|窓リフォーム研究所
真空ガラスと補助金で内窓リノベーションをお得に!
真空ガラス内窓のメンテナンスと使用上の注意
様々なメリットがある、「先進的窓リノベ2024事業」を活用した、内窓リノベですが、施工上、使用上の注意もあります。
■施工上の注意
通常、真空ガラスは、「保護キャップ」と呼ばれるガラスに付いている付属品を室内側に向けて施工しますが、内窓に真空ガラスを施工する際にはこの保護キャップを室外側に向けて設置する必要があります。これは熱割れと呼ばれる性能値が高い故に起こる現象を回避するための措置となります。
■使用上の注意
真空ガラスはその性能値の高さから、使用上については、以下のような点にご注意ください。
・内窓で使用するガラスについて、内外のサッシ障子が完全にぴったりと重なり合わないように少しずらしてご使用ください
まとめ
内窓に真空ガラスを採用することで、最上級の補助グレードを獲得できる「先進的窓リノベ2024事業」。窓リフォームをご検討の際には、窓ガラス交換他補助金も含め、生活のしやすさ、快適性の向上など、トータル的に採用箇所を検討し、是非ご活用ください。
窓リフォーム研究所
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